ローンの繰り上げ返済申し込みに伴って、ほけんの見直しをしました。結局健康診断の精密検査の結果を待たないと加入できないので、出直すはずだったのですが、こんな提案を受けました。
「繰り上げ返済の金額はすべて返済に回して大丈夫ですか」
「一部を運用することもできますよ」
そこで提案されたのが、一括払いの終身保険。（参考までにメットライフ生命のサニーガーデンEXという商品でした。）
この保険のポイントは
・購入時点で10年間の金利が決まる（ドルベースで支払い金額が確定）
・購入からちょうど10年のその日に解約すれば手数料はかからない（その1日のみ）
・支払い利息は年1～12回の受取回数、ドル・円どちらも選べる。（支払い日の為替レート）
年率1.54%のローンに比べてアメリカ国債の金利（2025年2月時点年率4.54%）が高いので、一見お得に見えます。が、冷静になると為替リスクを負うことをちゃんと理解しないといけません。
保険会社の説明はあくまでその日の為替レート（2025年1月時点１ドル156円くらい）で円換算して、
「こんなに支払われるので、繰り上げ返済で減る支払い分よりお得です」
とセールスをかけてきます。
でも思い出せば、５年前の為替って1ドル110~120円だったはず。
単純計算で
1ドル150円 150万円は1万ドル
10年後、円高が進んで1ドル100円だったら100万円にしかならんのです。
10年間利率は5%で50ドル支払われているとしても 元金＋利息150万円で、元金そのまま帰ってきただけ、つまり結果利率０％、となるわけです。
損益分岐点がこの場合は1ドル100円ですが、10年前にそれを繰り上げ返済にあてていたら軽減したはずの金利分を考慮すると損益分岐点はもっと1ドル110円とか120円になりうるわけなので、思ったほどお得じゃない上に、不用意に為替リスクを負うことになるわけです。
でも、日本円だけをもってることもリスクとしてとらえるなら十分選択肢になるんでしょうね。自分のリスク許容範囲でしっかり考えてうえで決定すべきで、見かけの金利に釣られず、自分で考えるのが大事ですね、という話です。
自分にこれが合うのかはポートフォリオとにらめっこして決断したいと思います。
